やまさき労務事務所

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 2007/10/10付けの各社新聞に、「2006年度の不払い残業で是正指導1679社18万人」という記事がでかでかと載っていました。TVのニュースでも大きな扱いをされていました。


 この数字は、100万円以上の不払い残業代を支払った事例のみをまとめたものなので、これより少ない(又は見つかっていない)ものまで含めると、とてもこんなものではないでしょう。


 「時間外労働は労働者に苦痛を強いて行わせるもの」とお上は考えています。本当の理由はさまざまでしょう。労働者が経営者に恩義を感じて、進んでやっていることもあるでしょう。しかし、そんな場合でも、違法になってしまいます。

 時間外労働は労働基準法で原則禁止されているからです。

今回はこの報道を機会に、時間外労働についてちょっと勉強してみましょう。


Q. そもそもどこからが時間外労働?

A. 休憩時間を除いて、週40時間(一部44時間)、1日について8時間を超えて残業させてはならないことになっています(労働基準法(以下、法)32条1項、2項、40条、法施行規則25条の2)。これが法定労働時間と呼ばれるものです。これを超えた時間が時間外労働です。


Q. うちの会社は7時間労働なんだけど、それを超えたら時間外労働になるの?

A. 就業規則に決められている労働時間は、所定労働時間と呼ばれます。この所定労働時間は法定労働時間を超えてはいけません(当たり前)。
 あくまでも法定労働時間を超えた分が時間外労働です。つまり、所定労働時間が1日7時間と決められていたとしても、(週40時間、あるいは一部44時間という規制に違反せず、深夜の時間帯でなければ)8時間までは働いてもらっても違法にはなりません。
 法律的にはその1時間分については通常の賃金(割増賃金つかない)を支払えば問題はありません。その1時間を残業と呼んでいるにしても、です。

 ここまでは本当のお勉強・・・で、ここからが実際の運用に関する話なんですが・・・。

Q. じゃあ、本当にその1時間は通常の賃金を払うだけでOKなんですね。

A. 法の範囲内でなされた所定外労働に対しては、法律的には割増賃金を払う必要はありません。これは先ほど述べたとおりです。
 しかし、就業規則によっては、所定外割増賃金を支払わざるを得ない場合があります。
 どういうことかというと、就業規則に「時間外労働等につき割増賃金を支払う」などの一般的規定がある場合は、法定労働時間内の残業でも割増賃金を支払わざるをえないということです(最一小判平成14.2.28 大星ビル管理事件 労判822号5頁参照)。

 上で、法律的には・・・と書いたのは、実はそういうわけがあったのです。

 就業規則がいかに大切かがわかります。

 この一般的規定から当該時間を回避する方法・・・それもまた就業規則。そこできちんと除外規定することです。

 


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