5月21日から裁判員制度がスタートしました。企業としては、従業員が裁判員の職務を行うことになった場合の対応を明確にしておいたほうがよいでしょう。そこで、知っておくべき法令や各企業の取り組みについて、ご紹介します。
■■「裁判員の職務の流れ」はどうなっているの?■■■■■■■■
そもそも、裁判員の職務の流れはどうなっているのか、簡単にご紹介します。
①裁判員候補者として裁判所に呼び出される
*裁判の日数が3日以内の事件で、1事件ごとに50人程度
*裁判員候補者名簿に記載された人の中から、事件ごとにくじで選ばれる
②最終的に事件ごとに裁判員6人が選任される
(必要な場合は補充裁判員も選任)
■■法令ではどう定められているの?■■■■■■■■
企業は、従業員が裁判員の職務のために仕事を休むことを拒むことはできません。なぜなら、労働基準法7条に「労働者が公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合、企業(使用者)は、それを拒んではならない」と規定されており、裁判員の職務は「公の職務」に当たるからです。
また、裁判員法100条では「労働者が裁判員の職務のために休暇を取得したり、その他裁判員、候補者等であることを理由に不利益な取り扱いをしてはならない」と規定されています。
なお、従業員が裁判員の職務のために仕事を休む場合、その期間を有給にするのか無給のするのかについては定めがなく、扱いは各企業(使用者)の判断に委ねられています。
■■法令ではどう定められているの?■■■■■■■■
2008年の日本経団連の調査結果(対象197社、回答93社、有効回答率47.2%)によると、「有給休暇扱い」と回答した企業が86%で、「無給休暇扱い」と回答したのは2%にとどまり、ほとんどの企業が有給休暇の扱いとしています。なお、有給休暇とした企業の対応としては、「裁判員特別休暇」を新たに設けたケースのほか、従来から規定されている「公務休暇」「特別休暇」に含めるなどの対応があり、適用される休暇制度の具体的名称は企業ごとに異なっています。
就業規則上の取り扱いについては、「従前の規定に解釈上含むとし、就業規則は改正せず」と回答した企業がもっとも多く34%、次いで「従来の規定に例示を加え、就業規則を改正済みである」と回答した企業が19%、「新制度を創設し、就業規則を改正済みである」と回答した企業が14%となっています。一方、対応については決定済みであるが、就業規則の改正が完了に至っていないのは全体の18%にとどまり、各企業とも迅速な対応をしていることがわかります。
裁判員制度に備えた就業規則の整備が済んでいない場合は、ぜひご相談ください。