過労死を労災と認める判決・過労死による損害賠償を企業に求める判決が増えています!
7月28日、東京高裁で偽装請負・過労自殺で約7,060万円の支払いを企業に命じる判決が出ました。
そのほか、過労死を労災と認める判決が最近、特に増えています。
不況の影響で人員削減するなか、残った社員に過度の負担が生じているケースもあります。
■■ ニコン 偽装請負・過労自殺訴訟 約7,060万円支払い命令 (2009/7/28のニュースから)
ニコンの工場に派遣されたアテスト(旧:ネクスター)の元社員の自殺をめぐる訴訟の控訴審判決が東京高裁でありました。1審に続いて「過労自殺」を認め、1審判決より賠償額を増額し、7,058万円の支払いを命じました。
実質的な派遣労働者の過労自殺が高裁レベルで認められたのは初めてです。
亡くなった元社員は製品の最終検査を担当し、1999年3月に自殺しました。昼夜交代勤務で同1月は時間外労働が77時間に上り、同1~2月には15日間連続勤務をしていたことなどから、高裁は「業務が原因でうつ病になり自殺した」と認定しました。
■■ 佐川急便「過労自殺は労災」 逆転裁決 (2009/8/4のニュースから)
佐川急便で派遣社員として働いていた元社員が過労によるうつ病が原因で自殺したとして、母親が仙台労働基準監督署に請求した労災申請について、労働保険審査会は3日、仙台労基署の不認定を取り消し、労災を認める逆転の裁決をしていたことがわかりました。同審査会が逆転裁決を下すのは異例ということです。
審査会の裁決書などによると、亡くなった元社員は遅くとも2006年2月までにうつ病になり、同年3月、自宅で自殺しました。自殺前の約1年間は1か月あたり100時間を超える時間外労働を続けていたといいます。
母親は、9,335万円の損害賠償を求める訴訟を仙台地裁に起こしていて、いまだ係争中です。
■■ 企業としてどんな対策が必要か?
必要な対策はいくつもありますが、まずは下記の3つを徹底しましょう。
1.時間外労働が月100時間または2~6か月平均で月80時間を超えている労働者には、医師の面接による保健指導を受けさせましょう。
2.高血圧や心臓病、脳血管障害といった突然死を引き起こす可能性のある病気を持っている人には特に注意をし、長時間勤務や夜勤の制限、職種の変更、適正配置を徹底しましょう。
3.メンタル不全の場合、早期発見が大切です。直属の上司が、「ミスが増えた」「発言が減った」「遅刻が増えた」など、初期のサインを発見し、治療へ導くことができるよう、管理職の研修を行うのも効果的です。
■■ 労災の判断指針変更にも注意
労災の心理的負荷による精神障害等にかかわる業務上外の判断指針に、職場におけるひどい嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けたこと(強度Ⅲ)、複数名で担当していた業務を一人で担当するようになったこと(強度Ⅱ)などが追加されていますので、判断指針の内容もチェックしておくといいでしょう。